本「徴産制」

〈女性がスミダインフルエンザというウイルスにより激減。そこで導入させたのが徴産制。若い男性が薬で一時的に女性になり子供を産むという制度〉

 

SFとかファンタジーは苦手で思考がついていかないのだが、表紙に惹かれて手に取った。自分に合わなくてもいいから読んでみようと気軽に開いたら夢中になってしまった。

 

男性の話ではあるが、現代女性が抱えてる苦しみや辛さを代弁してくれている。そして、SFでもファンタジーでもなく現実的な話だった。同じ題材の短編が連なるような形で5人の男性の徴産制の様子を描いている。

どの男性も最後は希望に向かって歩んでいくので、女性から男性に戻った後、また女性のまま歩んで行くと決めた後の話も気になる。続きが読みたいという段階で次の話に移っていくから手が止まらなくなる。

 

個人的には、最後に全部の話を絡めて回収してくれるともっとテンションが上がったかな。ハルトが5話めに出てきた感じで。